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新築に関するお役立ち情報

注文住宅を建てるなら注目!トレンド情報まとめ

住宅をめぐる経済や技術的な環境は急速に変化してきています。注文住宅で家を建てる計画のある人なら、まず現状を把握しつつ、将来的なトレンドも押さえておくのが賢い選択のポイントです。ここでは、費用の相場や省エネ対応、家族のありかたなど、さまざまな視点から注文住宅のトレンドについて解説します。

注文住宅業界の全体のトレンドは?

2017年の調査では次のようなトレンドが見えてきています。注文住宅の価格相場については、全国の建築費用(土地代金は除く)は平均2775万円で、首都圏は平均3164万円です。対前年比は、それぞれ24万円と17万円の減少ですが、ほぼ横ばいと考えてよいでしょう。(当社のフルオーダー住宅における昨年度平均請負金額は約1967万円)住宅を建てるときには、主に2つの選択肢があります。土地を用意して全く新しく建てる場合と、現在居住している家を取り壊して建て直す場合です。この新築と建替えの割合については、全国の新規建築が85.7%で、建て替えが13.7%となっています。とくに首都圏に限ってみれば、新規建築が81.8%、建て替えが17.4%です。対前年比でみると、全国的に新築の割合が上昇傾向といえるでしょう。

新築を検討している人が家づくりを考えるきっかけとなった理由の第1位は、「いつかは一戸建てに住みたいと思っていた」(28.3%)で、対前年比で2.6ポイント上昇しています。「現在の家賃が高い(もったいない)」(19.2%)という意見も根強く、対前年比で4.1ポイントの上昇です。住宅そのもの話題ではないのですが、宅配ボックスの設置意向も注目ポイントでしょう。新築を検討している人(全国)のうちで、宅配ボックスを欲しいと思っている人は67.4%となっていて、理由は「配達の時間を気にすることなく外出できるから」が最も高く59.0%です。

スマートハウスとZEHへの注目度合い

注文住宅のトレンドとして、エネルギー関連の用語に「スマートハウス」や「ZEH」があります。「スマートハウス」は、4つの項目の組み合わせで構成される環境基準を満たした次世代型の住宅です。

1つ目は「エネルギーの効率的利用(省エネ)」についての項目で、省エネ等級、トップランナー基準、次世代省エネ基準などがあります。
2つ目は「エネルギーの創出」についての項目で、太陽光発電や家庭用燃料電池などの自家発電装置関連の基準です。
3つ目は「エネルギーを貯めておく仕組み」についての項目で、鉛・リチウムイオン・PHV(Plug-in Hybrid Vehicle プラグインハイブリッド自動車)などの基準となります。なぜ、住宅の話に自動車が出てくるのかといえば、PHVを住宅用の電源として使えるからです。なお、新システムによる蓄電は研究開発中のものも評価されます。
4つ目は家庭で使うエネルギーを節約するための管理システムであるHEMS(Home Energy Management System)についてで、IT技術による電気の利用状況の可視化などが構成要素です。

もう一方の「ZEH」は、ゼロエネルギーハウスの略称です。スマートハウスではさまざまな設備によって、消費エネルギー量がコントロールされていて、通常の住宅よりも少なくてすみます。
さらに、発電設備も組み込まれているため、エネルギーの消費だけでなく生産も行います。簡単にいえば、ZEHとは住宅で使うエネルギーと作るエネルギーを比べたときに、それが同じになるか、作るほうが多い住宅のことをさしているのです。
このような次世代住宅のコンセプトが、住宅購入検討者にどの程度知られているかを調べた統計データがあります。2017年ではZEHの認知率は64%で増加傾向にあり、スマートハウスは2015年時点で87.3%の認知率です。つまり、多くの人がエネルギーを効率良く使う住宅の仕組みに注目していることがわかります。

2020年の省エネ基準適合住宅の義務化への注目度合い

スマートハウスやZEHと同じように注目を集めているトレンドがあります。それは「2020年の省エネ基準適合住宅の義務化」です。2020年になると住宅を新築する際には「新しい省エネ基準」に適合させる義務が課せられます。この新しい省エネ基準とは「平成25年に改正された省エネ基準」のことで、ポイントは「住宅の省エネ性能を一次エネルギー消費量に換算して評価する」という点です。

住宅で消費する電気やガスは「二次エネルギー」と呼ばれ、石油・石炭など化石燃料、原子力燃料、自然から得られる水力・太陽光などの「一次エネルギー」から作られています。この改正は、より地球環境を意識した視点での基準になったといえるでしょう。従来の基準では、主に外壁や屋根・天井、床、窓などの断熱性能に着目して評価していました。

改正基準では給湯器や冷暖房機器、換気や照明など設備機器の省エネ性能にも注目し、太陽光発電などの生産設備としての住宅という観点も考慮したものとなっています。かなり専門性の高い情報ではありますが、住宅購入検討者の認知率が67.0%という、7割近くの人たちが知っているというデータが出ています。もちろん、内容をある程度知っているという「内容認知」率では27.4%まで下がるのですが、大きな関心を集めていることには変わりないといえるでしょう。

トレンド重視派なら知っておくべき「リビ充家族」

2017年の注文住宅のトレンドを示すキーワードも紹介しましょう。それは「リビ充家族」という言葉で、「リビングを最大化し、そこで充実した時間を過ごすことを楽しむ家族」のことを指しています。

マンションの規模を2LDKなどと表現しますが、そのLにあたるものがリビング Living roomです。リビングは家族の生活の中心となるスペースのことで、住宅プランの中心にあって、最も日当たりがよい開放感のある場所に計画され、可能であればバルコニーなどとの接続も考慮するのが一般的です。リビ充家族のためのリビングは、壁を立てて個室に区切るのではなく、寝室や収納や水回りをコンパクトに納めて、キッチンを含めた残りの部分を開放的なワンルームとして計画します。こうすると、リビングでさまざまな家族の活動が同時並行的に発生するのです。それぞれ別なことをしていても「ゆるい連帯感」が生まれるため、家族の絆が深まり、コミュニケーションも活性化する可能性があります。

トレンドを考慮した注文住宅を建てよう

住宅は一度建てると長い間使い続けるものです。新築の際は新しいトレンドを十分に取り入れておくと、快適な住み心地の維持やランニングコストの低減につながるでしょう。また、注文住宅は建売住宅に比べて自由な空間を手に入れることができます。家族の個性に応じてカスタマイズされた空間は、夫婦や親子の関係をさらに親密なものにしてくれるはずです。さまざまなトレンドについての情報を収集して、自分たちに必要なものはしっかり取り入れた、個性的な注文住宅を目指しましょう。

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